竹取りおじさん

自宅の裏の竹藪。台風の度に竹が倒れてくる。怖い。

頭の中が竹だらけ。

ここ数日、竹のことで頭がいっぱいです。300本の竹を刈るというのが、来週までの僕(大工さん)の目標で、それに向けて少しずつ皆さんにお声がけさせて頂いてます。

そもそも、なぜ竹が必要なのか。

これから建てようとしている家の基本となる素材は、
石と土と木と竹の四つ。
石を置き、柱を建て、木を組み、竹と土で土壁を塗る。いま竹取りしているものは、その土壁に使う素材になるからです。

その竹はどこからくるのか。

いま住んでいる(愛すべき)ボロ屋の裏手には竹林が広がっています。去年の台風で、いくつもの竹が倒れ、整備することが出来ないくらい竹林は荒れ果ててしまいました。
大工の棟梁が(愛すべき)ボロ屋にはじめて訪れた時、棟梁が軽トラから降りた一言目の言葉が印象的でした。それは、

『いい竹、たくさんあるじゃないですか!?』

という言葉でした。

その時、その言葉の意味が分からなかったけど、その言葉の意味はその直後の商談で知ることになりました。

そして、結論から言うと、自分自身、棟梁、大家さんの三者が合意し、新しく建てる家の土壁の下地材を、いま暮らしている家の裏山の竹を利用する。ということになりました。

そして竹を刈る。

気がついたときには、僕は大工さんと一緒に竹を刈り、枝を打ちをしていました。ここでの暮らしをはじめてからこれまで何度も竹を刈る機会があったけれど、ここまでポジティブな状態で竹刈りをしていることはありませんでした。
そして荒れた竹林がキレイになって、そこで出た資材はその先の自分の暮らしを支えてくれる。何よりも竹林がキレイになれば、日々出会う猪や鹿、狸やウサギの暮らす環境が向上する。そう思うと嬉しくなって、大変な作業も楽しく軽やかになってくる。と感じたのです。ただ純粋に嬉しい気持ちになる。

そして、また竹を刈る。

そういう訳で今週(1/25)、来週(2/1)と竹取りをしてくれる仲間を募集しています。行けないけど道具(作業服)は貸せるよ!とか、刈る作業出来ないけど子供と遊ぶのは出来るよ!とか、念力だけは送るよ!とか色んな形で関わって頂けると嬉しいです。

ちなみに、竹刈りはだいぶゾーンに入り込みます。禅トリップです。稜線を黙々と歩いてしまうあの感覚や、トレイルを走っていてある地点を超えた後にくるその感じ、ただひたすらポイントに向かってパドリングしている時のアレに似ていると思っています。