ドームハウス

衝撃的だったドームハウス

現在進行形の家づくりからは少し話題はそれる。家づくりを進めるずっと前段階で自分の家づくりで紆余曲折してきたことを少しづつ書き落としておこうと思う。それらがつながっていまここにたどり着いていると思えるから。それらを最後につなぎ合わせていく作業をこのブログで展開していけたら面白いのではないかと思っている。

かつて自分で家を作るならドームハウスがいい。と思っていた。日本を歩いて旅する中で、ドームハウスの存在を知り、それに住んでいる人々に出会い、実際にその空間で寝食を過ごし、その空間の心地よさを実感した。

日本海を見渡す連続水平窓

最も印象的だったのは、北海道の友人が住んでいたドームハウス。日本海に面した崖線上に立地し、リビングから水平線が見渡せる連続水平窓(というかほぼパノラマ)は圧巻だった。そして円形空間の中心に薪ストーブが置かれ、リビングの吹き抜けから2階部分の寝室へ暖気が対流する空間がまた見事だった。真冬に訪れた際にもTシャツで寝るほど一日中暖かく過ごしたことを覚えている。ドームハウスは空間に「角」がない。だから熱効率が良いらしい(あくまで口伝です)。

実際に訪れて体感してみてとても理にかなっているなと思ったのだ。実は今回の自邸プランにもこの熱の流れを引用している。1階の中心に吹き抜けを作り家全体を1つの薪ストーブで温めるという作戦だ。ただ問題になるのが、夏の湿気と暑さではあるが、そこは石場建てと一家部分の大開口に期待している部分だ。

2階から眺めたリビング

ドームハウスといえば、バックミンスタフラーだ。僕がドームハウスを検討していたときにはフラーが12年間過ごしたイリノイ州にある自邸の図面とずいぶんにらめっこをした。その図面の先にあったであろう生活を想像し、また僕ら家族に置き換えて暮らしを妄想してた。結果的に僕ら家族が生活するには小さすぎるプランだったけれど、5年~10年単位で移りゆくライフスタイルに柔軟に対応できる家を目指す上で、このフラーのプランはとても学ぶことが大きかったことに気がついた。同時期に読んでいたコルビジェの「小さな家」も同様だ。

土地を探している段階では、まだドームハウスも視野に入れつつ、様々な不動産を眺めていたことを覚えている。しかしながら結論としては、ドームハウスをつくることはなくなってしまった。けれど、家の内部空間の構成はドームハウスからインスピレーションを得ているということは間違いないのです。形は違えど、家の構成としてはドームハウス(フラーの自邸も含めて)の概念を踏襲しているつもりなのです。

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